当院の発熱外来の現状|高根公団駅|内科・消化器内科・呼吸器内科・循環器内科・小児科|遠藤医院

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当院の発熱外来の現状|高根公団駅|内科・消化器内科・呼吸器内科・循環器内科・小児科|遠藤医院

当院の発熱外来の現状

はじめまして、ホームページをリニューアルしました。

最初のブログ更新となり、内容に悩みましたがひとまず発熱外来について書いてみます。

 

あくまで医者一個人の感想ですので、流し見程度で見てください。

 

発熱外来の登場と現在に至るまで

新型コロナウイルスの出現

 

2019年末に始まった新型コロナウイルス感染症に始まり、クリニックや病院の発熱患者に対する診察方法は大きく変わりました。

コロナ流行前、当院では風邪をひいている患者様、それ以外の患者様も一緒に待合室で待ってもらい時間通りに診察するというかたちでした。

しかし、感染対策として密になることを避けるために発熱患者の隔離を行うように。

正直、初めて新型コロナウイルスが確認された際は医療従事者としても戦々恐々とした日々を送っておりました。

現在でこそ簡易検査キットは多く使用されておりますが、当時はそれすらない状態で診察をしており、

「もしかして、このひともコロナなのかもしれない・・・」

「自分もかかってしまったらどうしよう。」

もちろん、理屈では感染経路(エアロゾル感染、飛沫感染)をしっかり理解しているためそれに対する防護策(ガウンやゴーグルなど)を行えば、防げる”はずだ”という理論はありますが、それでも不安をかかえながら診療を行っていた方が多いとは思います。

 

現在は、簡易検査キットも多く出回り、重症化率が当初のウイルス株より低下しており当時ほどの勢いはなくなっておりますが、当院では継続して発熱患者様と通常診察の患者様は別窓口で診察しております。

 

発熱、風邪症状患者の振り分け

現在、発熱患者様は事前に電話をいただき、診察時間を決定しております。

電話をしたことがある患者様の中には発熱や風邪症状があるにも関わらず

「その症状でしたら通常の窓口にお越しください」

と説明を受けた人もいると思います。

これは症状や経過(発熱や咳が出てから何日経ったか)によって振り分けているためです。

 

「1ヶ月以上前から咳が続きます」「発熱と、お腹の痛みと下痢が・・・」

というような場合はコロナやインフルエンザとは違う可能性があるため、あえて発熱外来を案内せずに通常の診察をご案内していることが多いです。

 

一方

「ここ数日咳が出始めた」「家族が風邪ひいてて、同じような症状が・・・」

といった方は発熱外来をご案内します。

 

可能であれば全員を発熱外来に案内したいのですが、現状1日にみられる発熱外来の患者数を超えてしまうためどうにか振り分けているのが現状です。

 

2024年春-夏頃に建て替えを行い新装開業しますが、その際には新しく発熱外来として待合室も作りましたので、より快適に過ごせるようになると思います。それまではご不便おかけしますが、何卒よろしくお願い致します。

 

発熱患者の診断

2023年11月現在ですが、当院ではインフルエンザ(A型)が多くいるのが現状です。

インフルエンザ>コロナ≒分類不能な風邪

といった数です。

インフルエンザとコロナに関しては当院では抗原検査キットを用いて診断しております。

鼻の奥に綿棒を入れて粘液を採取し、5分程度で結果が出るものです。

 

よく患者様に言われるのが

「家で検査キットを使って陰性でした」

ということがあるのですが、正直申し上げてその結果はあまり参考になりません。

というのも

 1.そもそも検体(粘液や唾)がしっかり取れていないことが多い

 2.検査結果の見方が間違っていたり、判定が難しい例(実は薄い線が出ていた)がある

 

病院で検査をしたことがある人はわかると思いますが、鼻の奥に綿棒を入れる検査

    すごく痛いですよね?

私は検査するときに「痛いですよ」といいますが、大体痛いと思います。

検査キットによっては『鼻から2cmほど入れて』というように優しいタイプのものもあるとは思いますが、やはりしっかりと検体が取れてない場合が多いです。

 

あの”痛い検査”を自分自身、または家族に対して心を鬼にしてできる人がすくないのかもしれません。

優しさが仇になってしまっているのでしょうか。

 

いずれにせよ、自宅の検査が陰性だといって必ずしも陰性かどうかは別問題ですので場合によっては当院で再度検査を推奨するときもあります。

 

また、細かい話は省きますが

     検査結果が陽性=絶対にその病気である

         ではない

です。

ほとんどの場合は陽性=その病気でいいのですが、厳密には違います。

それは症状だったり問診でのエピソードだったり、身体所見だったりと色々な所見を総合して診断しています。

検査に絶対はないと言うことですね。

 

逆もまたしかりで

   検査結果が陰性=絶対にその病気じゃない

         ではない

『家族全員インフルエンザにかかって、その中で自分も風邪をひいて熱が出た。でもインフルエンザの検査は陰性だった』

などは検査の不備を疑います。その場合はほとんどインフルエンザのことが多いですし、その前提で治療をしたほうがよいことがあります。

 

“診断は一応色々考えているだなぁ”と思ってくれれば幸いです。

 

治療について

インフルエンザやコロナと診断した場合は、患者さんによりますが抗インフルエンザ薬や抗コロナウイルス薬を処方することがあります。

コロナの治療薬については2023年10月から本人負担が発生するようになりました。

現段階では保険割合によって自己負担額9,000円、6,000円、3,000円のいずれかです。(千葉県公式HPより

値段も決して安くはないので、処方する際には説明しております。

 

その他の薬については、適宜症状に応じた薬をお出しします。

残念ながら全国規模で咳止めや痰切りの薬が非常に不足しております。

なかなかその時に応じて処方できない場合は、処方日数が少なくなったり、似たような効果の薬を出す場合がございます。

何卒ご理解・ご協力をお願い申し上げます。

 

新装開業後の展望

先にも述べましたが、発熱外来の窓口及び待合室を別に用意する予定です。

また、検査室や診察室も別に用意をし、完全に独立した診察場所だと思っていただいて構いません。

会計についても自動精算機を導入予定でクレジットカードなども使えるようにするつもりです。

 

現状、事前に電話をいただき診察時間を決めて診察しておりますが、次の発熱外来ではそのまま直接来ていただいても診察できるようにしたいと思っております。

時折当院にも

「他の病院に行こうと電話したら、もう今日はいっぱいだと言われて断られた」

と来る方がいらっしゃいます。

 

できれば風邪のような症状はクリニックで断らずに診るような従来な形を取り戻せるよう改善していく所存です。

 

今回は以上です。

今後ともよろしくお願い致します。

                                    副院長 吉田

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